肛門の主な病気

肛門

痔核じかく

肛門にできた静脈のかたまりで、「イボ痔」ともいいます。
直腸と肛門の境界線を歯状線といいますが、この歯状線より内側に出来たものを「内痔核ないじかく」、外側のものを「外痔核がいじかく」といいます。

主な症状
出血・脱出・痛み※痔核の進行段階により異なります。

痔核の種類

血栓性外痔核
急に、腫れと痛みが生じる痔核
嵌頓痔核かんとんじかく
痔核が肛門外へ脱出し、締め付けられてもとに戻らなくなり、激しい痛みを発生する痔核

肛囲膿瘍こういのうよう

肛門の内側から細菌等が進入して発生し、肛門の周囲に膿が溜まった状態で、腫れと痛みが強く熱が出ることもあります。

主な症状
腫れ・痛み・発熱

痔瘻じろう

肛囲膿瘍こういのうようが慢性化して、膿の管が出来た状態です。膿の排出や痛みを伴います。
肛門の近くに膿の管ができるため、外部へ膿が排出されるほか、膿の管が複数できて複雑化するため、早期の治療が大切です。長期間放置すると、痔瘻癌じろうがんになる場合があります。

主な症状
膿の排出・痛み

裂肛れっこう

肛門の一部に傷ができた状態で、切れ痔ともいいます。
排便時や排便後、痛みと出血があります。

主な症状
排便時・排便後の痛みと出血

膿皮症のうひしょう

アポクリン汗腺や毛包の機能障害により、毛包に炎症が起こり、殿部に炎症性の結節けっせつ膿瘍のうようを繰り返す疾患です。

主な症状
膿の排出・痛み・腫脹しゅちょう

毛巣洞もうそうどう

仙骨部に生えている毛が、皮膚の下に膿瘍のうようをつくる疾患です。

主な症状
膿の排出・痛み・腫脹しゅちょう

肛門こうもんポリープ

肛門と直腸の境に出来るイボのことです。多くは裂肛れっこうが原因で生じます。
大きくなると脱出し、痛みも伴います。

主な症状
脱出・痛み

肛門狭窄こうもんきょうさく

肛門が裂肛れっこう等の原因で、狭くなった状態をいいます。
便が細くなったり、出にくくなったりします。

主な症状
細い便・便が出にくい

肛門周囲炎こうもんしゅういえん

肛門周囲の皮膚に炎症が生じた状態で、かゆみや痛みを伴います。
真菌症の場合もあり、慢性化するものもあるため、適切な治療が必要となります。

主な症状
かゆみ・痛み

括約不全かつやくふぜん

肛門を締める筋肉の働きが悪くなった(緩くなった)状態です。
便もれ・ガスもれなどの症状がみられます。

主な症状
便もれ・ガスもれなど

直腸粘膜脱ちょくちょうねんまくだつ

直腸の粘膜が肛門外に脱出するようになったものです。
症状としては、粘液が出たり出血したりします。

主な症状
粘液・出血

直腸脱ちょくちょうだつ

直腸が肛門より脱出する状態となったものです。
直腸を支える組織が緩くなって発生します。

主な症状
脱出

直腸膣壁弛緩症ちょくちょうちつへきちかんしょう

直腸と膣との壁にできた袋が膣側に突出して、便秘になりやすくなります。

主な症状
便秘

尖圭せんけいコンジローマ

ウイルスの感染により、肛門の周囲や内部に小さなイボが発生します。
早めの治療が必要です。一度切除しても繰り返し再発する場合があります。

主な症状
小さなイボ