大腸の主な病気

大腸

大腸だいちょうポリープ

大腸ポリープとは、大腸にできたイボ状のかたまりのことです。
ポリープの中には大きくなってガン化するものもあります。
大腸癌予防のため、早期に発見して切除することが大切です。

大腸癌だいちょうがん

癌の場合、多くは腺腫せんしゅというポリープから発生するとされ、初期の段階では無症状のため、多くの場合は検査にて発見されます。

主な症状
肛門からの出血・細い便・頻便などの排便障害(腫瘍が大きくなった場合)※痔の病気と間違われることも多く、注意を要します。

直腸ちょくちょうカルチノイド

直腸の神内分泌細胞から発生する腫瘍です。
腫瘍細胞の悪性度により、治療法が異なります。大きさが1cm以下で形がいびつでないものは、内視鏡治療を行います。

主な症状
特になし

過敏性腸症候群かびんせいちょうしょうこうぐん

ストレスや食生活の乱れなどから発生する病気です。
大腸のけいれんのため、腹痛・便秘・下痢・腹部不快感などの症状が起こり、なかなか改善しません。早期に専門的な治療をすることが大切です。

主な症状
腹痛・便秘・下痢・腹部の不快感など

大腸憩室症だいちょうけいしつしょう

大腸の緊張が高くなり(収縮が強くなり)、腸壁の薄くて弱い部分に、腸の外側に向けて凸状の袋(憩室)ができるものです。
炎症を起こすと憩室症けいしつしょうとなり、治療が必要です。また、しばしば出血を引き起こすことがあります(憩室出血けいしつしゅっけつ)。

憩室炎
腹痛
憩室出血
多量の暗赤色便

潰瘍性大腸炎かいようせいだいちょうえん

大腸の粘膜に潰瘍が発生する病気です。
そのため、頻回の下痢・出血・腹痛などが特徴的な症状です。
潰瘍が慢性的に経過することが多く、原因は不明であり、治り難く難病に指定されています。

主な症状
頻回の下痢・出血・腹痛など

クローンびょう

原因不明の腸炎の一つで、口腔内から肛門にいたるまで、広い範囲の消化管に炎症が見られる病気です。
主に小腸と大腸に炎症が起こりやすく、特徴としては10~20代にかけて若い年代で発生することが多く、再発・再燃を繰り返します。
主な症状として腹痛・下痢・体重減少・発熱などがあります。
肛門に治り難い痔瘻じろうが発生し、その診断治療により、クローン病が発見されることもあります。
発生原因は不明であり、難病に指定されています。

主な症状
腹痛・下痢・体重減少・発熱など

虚血性腸炎きょけつせいちょうえん

腸を働かせる血管の血の巡りが悪くなり発生します。突然の腹痛・下痢の後に血便が見られる場合が多いです。

主な症状
腹痛・下痢・出血など

その他の大腸炎だいちょうえん

大腸炎は多くの原因で発生します。
細菌性のもの・薬剤性のもの・アレルギー性のもの等があります。
腹痛・下痢・出血などが主な症状で、多くの場合は治療により1週間ほどで治りますが、検査により、原因を確定することが大切です。

主な症状
腹痛・下痢・出血など

排便障害はいべんしょうがい便秘べんぴ

排便障害とは、便が出にくくなった状態をいいます。
食生活や生活習慣の乱れなど、様々な原因で発生します。
また、便秘の原因の中には様々な大腸の病気がかくれていることがあるため、検査により原因を確定することが大切です。
慢性化した便秘は日常生活に支障をもたらすため、早めに治療することが大切です。