大腸の検査・治療
Examination大腸の検査
大腸内視鏡検査
全結腸内視鏡精密検査では、大腸全体を直接内視鏡(カメラ)で観察し、大腸癌・ポリープや炎症などの病気の有無を調べます。
ポリープなどが見つかった場合は、内視鏡を使って切除することもできます。
無送気軸保持短縮法について
大腸は屈曲の強い臓器のため、そのまま内視鏡を挿入すると屈曲部で腸管を押すことになり痛みを生じます。また、空気を入れながら挿入すると、腸管はさらに伸びてしまい、痛みは強くなります。
無送気軸保持法は挿入時に空気を入れずに挿入する方法で、腸管の伸びを最小限にします。腸管を押しながら進めるのではなく手前にたたみ込むように直線的に進めるため、痛みを生じません。腸管の長い方や癒着のある方は少しだけ押す場合もありますが、痛みを最小限に抑えることができます。
送気法による挿入法
空気を入れながら挿入すると、腸管が伸びて痛みが強くなります。
無送気法による挿入法
腸管を伸ばすことなく、たたんで挿入します。
内視鏡システムについて
県南髙木クリニックでは、Olympusの最新システム「EVIS X1」およびFuji filmの「6000システム」を導入しています。
前処置について
県南髙木クリニックでは、3通りの前処置を行っています。
自宅で下剤を飲む方法
75歳以下で、重度の便秘や腸閉塞の既往のない方が対象です。
朝6:00頃から下剤の服用を開始していただき、便がきれいになったらご来院ください。
外来で下剤を飲む方法
朝8:30~10:00にご来院いただき、下剤服用の説明を受けたあとに服用開始します。
前日に入院して下剤を飲む方法
高齢の方、重度の便秘の方、下剤内服でなかなかきれいにならない方が対象です。
前日に入院し、低残渣食を食べていただきます。当日朝から下剤の服用を開始します。
県南髙木クリニックでは、「サルプレップ」という下剤を使用しています。他の下剤より飲む量が少なく、自分で水と混合する手間も省けて、味も飲みやすいのが特徴です。「サルプレップ」が飲みにくい場合は、他の下剤も用意しています。(ニフレック、モビプレップ等)
検査前日・当日について
検査前日
朝・昼・晩のお食事を摂って問題ありませんが、アルコール・辛子などの刺激物・消化の悪いもの(わかめ等の海藻類・豆類など)は控えてください。
検査前日20:00に、お薬を服用してください。(下剤の錠剤・水薬10cc)
検査前日は、水分を多めに摂ってください。
- 服用可
- 水・お茶・ウーロン茶・ポカリスエット・ブラックコーヒーなど
- 服用不可
- 牛乳・ジュースなど・乳製品や果汁を含むもの
検査当日
朝食を摂らないようにお願いします。水・お茶であれば、コップ1~2杯程度は問題ありません。
検査の流れ
腸の中をきれいにするために、午前中に下剤を飲んでいただき、順次検査を開始していきます。腸がきれいになったら、肛門から内視鏡を入れて大腸全体を見ていきます。検査時間は10~20分程度です。胃の内視鏡も同時に行う場合は、20~30分程度です。
※腸の長さなどの条件により、検査時間は多少異なります。※腸内の残渣などが出てしまうまで個人差がありますので、下記時間はおおよその目安です。
-
下剤の服用
自宅で飲む場合
朝6:00頃から下剤の服用を開始してください。便がきれいになったらご来院ください。
院内で飲む場合
朝8:30~10:00頃から、大腸をきれいにするために、時間をかけて下剤(2~3リットル)を飲んでいただきます。
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点滴開始
腸が完全にきれいになったら、点滴を開始します。
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検査開始
検査前に軽い麻酔をします。通常は完全に眠った状態で検査します。検査時間は、約20~30分程度です。
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検査終了
検査終了後は、麻酔が残っているため点滴をしながらゆっくりと休んでいただきます。
検査に際しての注意事項
県南髙木クリニックでは、大腸内視鏡検査と胃内視鏡検査を同時に行うことができます。
現在服用中のお薬について
- 高血圧・心臓病のお薬は、必ず飲んでください。
- 糖尿病のお薬は、飲まずにご持参ください。
- 抗血小板剤など血液をサラサラにする薬を服用されている場合、検査前に休薬していただく場合もありますのでご相談ください。
- 現在服用中のお薬があれば、検査当日に必ずお持ちください。
持病・体調について
次のような病気のある方はお申し出ください。楽に検査ができるように、注射などをする場合もあります。
- 心臓の悪い方
- 高血圧
- 腸閉塞
- 緑内障
- 前立肥大症の方
ポリープの切除について
検査の際、ポリープがあった場合はポリープ切除術を行います。
切除したポリープは病理検査を行います。病理検査の結果は、検査日の7~10日後にお知らせします。
入院手術について
ポリープの大きさや数が多い場合など、医師の判断により、入院のうえ切除を行う場合もあります。
検査当日の送迎について
検査当日は、朝から夕方まで時間がかかります。麻酔の関係上、帰宅時の運転はできませんので、検査当日の送迎についてはご家族の方と予めお打ち合わせをお願いします。
※注射などの影響で、頭がふらつくことがあります。ポリープ切除後は、運転などによって粘膜に炎症を起こすことがあります。病理検査について
内視鏡精密検査において、炎症・潰瘍等がある場合は病理検査を行います。病理検査の結果は、検査日の7~10日後にお知らせします。
検査費用
以下の表は、横スクロールでご覧ください。
検査内容 | 自己負担割合 | 負担額の目安 |
---|---|---|
大腸カメラ検査(観察のみ) | 1割 | 2,000円前後 |
3割 | 6,000円前後 | |
大腸カメラ+病理組織検査 | 1割 | 約3,000~5,000円 |
3割 | 約10,000~15,000円 | |
大腸カメラ+ポリープ切除 | 1割 | 約7,000~10,000円 |
3割 | 約20,000~30,000円 |
※検査時に使用する薬剤や点滴によって、費用が加算される場合があります。
※病理組織検査やポリープ切除については、組織を取った部位や個数により料金が異なります。
画像検査
X線検査
胸部・腹部のX線検査を行っています。腸閉塞や肺疾患の確認で撮影します。
CT検査
県南髙木クリニックでは、高画質で被曝量の少ない、16列スライスのCannon社製「Aquilion start」というCT機器を導入しました(2023年10月より)。腹痛・便秘・下痢等の診断、手術後のフォローの際に使用しています。
Colorectal Polypポリープ切除について
ポリープの大きさや形態により、切除方法が変わります。